「彼女は一体、どんな秘密を物語の中に隠したのか……。」
「まったく無関係な4人だが、本人たちも気づかぬところで、実は不思議な繫がりがあった…」
という帯のコピーに惹かれて読んだ本。
しかし、「まったく無関係な4人の繫がり」とは言い過ぎではないかなあ。
この繫がりが何らかの秘密に収束されていくのかと思ったが、そうではなかった。
そんなわけで、少しばかり肩透かしだったのは、確か。
作者がこの連載中で亡くなったので、もしかしたら別の物語が、まだあって、そこにオチがあったのかもしれない。
けれど、それに関しては、この本の中では解説がないのでわからない。
日記は、主観的で、しかもそこに書かれていることがすべてではない。
なので、しっかしミスリードされました。
読みやすく、ミスリードされた!という気づきも楽しめたけれど、後味がよかったのは『道化師』だけかなあ。
ほかの3作は、え、そこまでするの?って展開で、すっきりできないラストだった。
どの作品も、思いがけないラストが待っているのだけど
『道化師』のそれは、とてもとても、やさしい。