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湊かなえの小説は読みやすくて吸引力がある。
と思ってきたのだが この短編集は別だったか。 正確に言えば、この短編集の表題の2作『ポイズンドーター』と『ホーリーマザー』だけは、読みづらくて仕方なかった。 時間軸と場面の転換がわかりにくい。 いつもの湊かなえの小説では、急に視点が変わったとしても、ちゃんとそれが伝わっていた(この短編集の他の話はそうだった)のだが。 特に『ホーリーマザー』 手記と週刊誌(?)の見出しと理穂の独白での構成だが、 理穂の独白が、いまどこの時間軸なのかわかりにくい。 人間の独白とはえてしてそういうものだろうから、これがリアルということなのか、あえて作者はそう書いているのだろうか。 理穂の主張も、納得できるものではなかった。 彼女は彼女の論理で生きている人間に過ぎず、作者の代弁者ではないのだということなのだろう。 『ポイズンドーター』と『ホーリーマザー』は表と裏のストーリイだが、けっして、この2つですべてがわかるという構成ではなかったのだった。 同じものを別の人間が観た視点、というものではなかったのだから。 謎は謎のまま。 登場人物は、自分の知っていることだけを、自分の正義だけを信じて生きていく。 弓香の母が亡くなったのは悲しいことだ。 彼女の視点はわからないが、たとえ理穂の義母の手記を読まなくても、たとえ弓香が感じたとおりの抑圧する存在だったとしても、どれほど傷つき絶望したかは容易に想像できる。 なのに、それを弓香がどう感じたのかは、弓香の視点がないので、読者にはわからない。 どこかで、それを読みたかったと思うわたしがいる。 なので、これを「イヤミス」といわれると(帯にそう書いている)、いやこれ、ミステリじゃないでしょ、と思う。 (帯のコピーは作者のせいではないですけど!) ほかの作品は、どれも、ちゃんと完結していて、謎と答があった。 (結末は、どれもこれも、嫌なものばかりだが) 『ベストフレンド』は、「嫌な」ではなくて哀しい結末。 でもちゃんと伝わってほしい人に伝わってくれたのが救い。 『優しい人』は、怖い話。 殺人者と被害者、どちらも「優しい人」 作中でも、主人公を責める言葉が繰り返されるけど、わたしは彼女に同情してしまう…。 殺された男に対する「彼はいい人」「彼は優しい人」の言葉と、そこからは見えない彼の言動とのギャップが怖い。 証言する側の人々、特に「友人」「同僚」の、「優しい人」発言は、主観的で無責任。 (だからギャップはさほど感じないという皮肉) #
by t-marino
| 2016-11-23 08:19
| 小説
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帯に書かれたコピー
たいていは、読後に、ああそういうことだったのかと腑に落ちることが多いのだけど、この本は「?」だった。 いや、小説のほうはおもしろく読みましたが。 コピーの意味はよくわからない。 著者には珍しく、一人称ではない書き方で しかし視点は3人の主人公から見ているので いまは誰の視点、というのは他者の言動で察する感じ。 しかし、わかりにくくはないので、さすがだなと思った。 人口7,000人の町 人口は少ないが、企業城下町でもあって、昔ながらの商店街が、細々とであっても、これだけの種類の店が存続しているのであれば、まだ活気があるほうだなあ。 だからこそ、の「田舎あるある」でもあるなあ。 都会から来たすみれにとってのユートピア そんなすみれも、作品が評価されないというコンプレックスに直面する場面が多々あって。 そういう場面も含めてユーモラスな書かれ方がされているので、憎めないキャラクターだなと思った。 光稀もそうで。 彼女が、けっして距離が近いとは思えないすみれを「すーちゃん」と呼ぶ。 それだけで、彼女のふだんの人となりが見えるかのよう。 彼女の言動も、時に厳しいが、わかりやすいためか、嫌な感じがしない。 この2人に感情移入したわけでも共感したわけでもないが (あ、でも、彼女らが何らかの形で他人から認めらる場面がいくつかあって、それには共感したのだった) 彼女らにけん引されて、この小説を読んでいた気がする。 そして彼女らは、なんというか、正直で優しいなと思う。 だから、なんだかんだ言って、他人から気にかけられたり優しい言葉をかけられたりするのかもしれない。 と思ってしまうのは、もう一人の主人公 菜々子のせいか。 遠慮なくグラタン料理が食べられるくらいしか、彼女の「しあわせ」を感じる場面がなかったなあと、この感想を書いてて思う。 すっきりしない結末に感じるのは、事件が明らかな部分とそうでない部分があるからだけど、菜々子の今後がすっきりしない、というのが大きいかもしれない。 それが現実ってもんだ、とわかってはいるけれど。 #
by t-marino
| 2016-11-06 08:47
| 小説
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天上の虹
16年くらい前、この作品のシルクスクリーンを見たことがあった。 大きなサイズに拡大されても、光の粉を散りばめられていても、それらに負けない原画の繊細な美しさと力強さ。 それからすでに十数年たっている。 この連載が始まった頃、長岡良子さんの古代幻想ロマンシリーズが始まり その後には河村恵利さんの明日香の王女も連載された。 それぞれの作家性が色濃く際立っていて、どれもおもしろい。 天上の虹は、一見正統派少女漫画のようでいて、これはやはり、ザ・里中漫画です。 (里中満智子の漫画は骨太で異色だと思っているのです) いまのわたしの年齢は讃良の没年とほぼ同じ。 そのせいか、讃良が父親を理解する…というのが実感として感じられてしまった。 父の業績や、父の影と語るというのは、以前にもこの作品中で描かれてはいたのだけど、いま、この讃良の心境はそこからさらに深まっていたのだなと。 そう思うと、これだけの年数がかかって完結したのは、あまり不思議ではないのかもしれないですね。 (連載が始まった頃の讃良はまだ少女だったし!) 最終巻を読むにあたり、21巻から続けて3冊読んだのだけど、濃密だった。 連載中のように、ごく自然に作品の中に入り、楽しめた。 きっちり計算されたとおりに完結されたように見えた。 良い意味で。 最終巻に近づき回想のコマを見るとほほえましく、讃良も大田も愛らしいなあとか やり手なカップル藤原史と三千代が、年を経て、かわいく見えて来る不思議とか。 でも、これ読んだあとで長屋王残照記を読むのはつらいなあ。 #
by t-marino
| 2016-10-15 18:04
| 漫画(少女)
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湊かなえの小説は、まだ全部読めているわけではなく
(なにしろ、『告白』をいまだに読んでいない) 今まで読んだ中での暫定的な意味で一番好きなのは『山女日記』 その次が『花の鎖』だった。 山女日記を読むまでは花の鎖が一番好きだった。 やはり、やさしさや救い、かわいらしさが感じられる物語に、より惹かれるのかもしれないなあ。 と書きつつも、『少女』『Nのために』のような湊かなえ流の「イヤミス」も好きなのだが。 山女日記と花の鎖が好きなわたしには この『物語のおわり』もおもしろく、好きな小説の中に入った。 北海道を旅する人々の物語でもある。 地元にいながら、(いるからこそ?)この20年は観光で旅することもないので、この小説を読んで、旅の気分を、空気を味わえた気がする。 結末の書かれていない物語があって 登場人物たちはそれぞれの「物語の続き」「物語の結末」を想像する。 読み手の思いと背景と年代によってこうも感じ方が違うのかと思わせる。 夢を追うものとして読む者 その恋人として読む者 その親として読む者 どの「結末」も味わい深いのは、それぞれの章の主人公たちに共感して読んでいるからだろう。 そして彼ら彼女らは、次の章では、物語を手渡すものとして再登場するので、その描写にもほっとさせられる。 「本当の結末」のひとつ前の章が好き。 4人の青春、そして老年になった彼らが眺める情景。 そのとき、結末のない物語の円環が閉じた気がした。 少女、それも現代の少女の主観で語られる章は痛々しい。 同じ若い女の子でも、綾子さんや美湖さんには感じなかった痛々しさだ。 でもそんな彼女も別の場面では、素直でやさしく心づかいのできる少女なのだということを思い出し、また最初から読み直そうとしてしまうのだった。 円環の物語の、それが醍醐味。 #
by t-marino
| 2016-10-06 00:03
| 小説
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山本弘さんのビブリオバトルシリーズ
『翼を持つ少女』 『幽霊なんて怖くない』 そして3作目が『世界が終わる前に』 ビブリオバトルとは、5分間で「本を紹介する」 参加者は読みたいと思った本に投票する。 一番得票した本がチャンプ本に選ばれる。 という、バトルのこと。 インターナショナルスクールが舞台。 となると、わたしにはやや敷居が高い設定。 しかし、1作目を読み終え、さらに2作目、そして3作目となると 登場人物たちに対する愛着も増しているのを自覚しながら読んだ。 多彩な本が登場する。 というだけではなく、「本を紹介する」という、他者へのアプローチに登場人物たちが苦心する物語でもある。 参加者が読みたいと思わせるにはどうしたらいいのか。 紹介者が、その本を好きという思いだけでは愛だけではうまくいくとは限らない。 そこがこのシリーズのおもしろさだと思う。 3作目の『世界が終わる前に』は 夏コミに主人公が初参加(まきこまれて)という番外編『空の夏休み』がおもしろかった。 コミケカタログを購読していた頃を思い出した。 コミケならではのルール コミケならではの密度 一般参加編も読んでみたかったです…(笑) 本編『世界が終わる前に』は、真鶴高校ミステリ部とのビブリオバトルがあるので、当然のごとくミステリ本がメイン。 と思いきや、本編そのものが、実はミステリだった。 本編にも書かれているけれど、ミステリ本は紹介するのが難しい。 何をどう書いてもネタバレになってしまうような。 なので、わたしが言えることは… 騙されました。 ということです。 あとがきに書かれていましたが、ミステリの醍醐味は騙されること。 見事に騙されました。 そして、作中に書かれていましたけど、ミステリは途中を振り返り読み返す。 はい、やりました。 もしかしたら、最初から騙されなかった人もいるのかも… だって、「いつもと違う」というのは鈍感なわたしでも気づいてはいたので… そう思いきや、ラストのラストは「いつもと違う」。 新たなスタート…なのかな。 そう、これは学園ものでもあるのだった。 一方、今回メインの彼女の、しめくくりの言葉。 「ぞくぞくする」 それを読んで安心した。 突飛な演出を好み危ない発言も平気でしてしまう仮面を、はずした今、 でもその仮面も彼女の一面であったのだな。 主人公・空はSFが大好きな少女 ミステリがテーマの今回も、SFならではの小説を紹介してくれた。 副主人公ともいえる武人はノンフィクションしか紹介しない。 1作目では大人びて見えた彼の、そんな頑なさが、2作目3作目になると、少年らしくかわいらしい、ガキっぽい…と思えるようになった。 彼も変化、あるいは成長していくのだろうな。 3作目のラスト(今回メインの彼女たちのことではなく)が、ある意味軽く衝撃だったので、今また『翼を持つ少女』の終盤からラストにかけてを読んでいる。 表題作はそれぞれ、登場した小説に因んでいる。 『世界が終わる前に』は新井素子の『ひとめあなたに…』に因んだタイトル。 若い頃、『ひとめあなたに…』を読んでいるけれど、いま読むとその時とは違う感慨を持つだろうなあと思わせられた。 #
by t-marino
| 2016-09-25 20:19
| 小説
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